全固体電池電極のSEM観察用試料 Φ10mmの電池から5mm角に 精密打抜き

全固体電池の分析を行っているご担当者様の事例です。
SEM観察用に電池を打抜き加工する工程ででご相談をいただきました。

対象の材料は、5種の素材(アルミ箔30μm+正極材50μm+固体電解質層50μm+銅箔30μm+負極材50μm)が積層された電池で、打抜いた試料の変形・ハガレの発生でお困りでした。

また、φ10mmの電池から5mm角に打抜くという細かい作業をグローブボックス内で行うため、ハンドリングについての課題もお持ちでした。問題となっていました。

この事例のポイント

  • お客様のご相談:グローブボックス内で作業性よく、電極材を変形なく打抜きたい
  • 技術上の課題:異種多層材料を変形なく加工する、グローブBOX内での加工作業性
  • 野上技研の提案:材料加工テストで電極材の最適な加工条件を検証、専用の打抜き治具を開発
  • 採用結果:変形・ハガレなく電極材を精密打抜き、作業効率の問題も解消

→ 品質を満たす試料を加工でき、作業効率も大幅に向上!

お客様の課題

  • 電極材に変形やハガレが発生
  • ワークが小さく、グローブボックス環境下で打抜き作業が困難

多層材料間のハガレ、変形が発生

全固体電池の電極材は、金属箔、電極材、固体電解質という異なる材料が積層された構造の為、打抜きの応力で変形や材料間のハガレが発生していました。

細かい作業が困難な加工環境

電極材は大気中の水分と反応して有害なガスが発生する為、低露点のグローブボックス内で取り扱う必要がありました。 大気中に比べ動きが制約されるグローブボックス内で、直径10mmのワークを取り扱う細かい作業は、経験を積んだ特定の作業者でなければ作業できないのが課題でした。

野上技研のご提案

  • 材料加工テストで要求品質を確保できる加工条件を検証
  • 小さいワークがセットしやすいガイド付き治具を開発

多層材料が変形・ハガレなく打抜ける加工条件を検証

お客様が加工されている電極材を用いて材料加工テストを行い、上刃と下刃のクリアランス、刃先の形状など、お客様が望まれる加工品質を満たす条件を検証しました。

グローブボックス内で誰でも簡単に、精度高く加工できる治具を開発

作業範囲が制限される環境を考慮して、材料のセット・加工中の材料の押さえ、切り出した試片の回収を簡単に行える治具を設計しました。

採用結果

  • 変形やハガレの問題が解消し、品質を満たす試料が作成できるようになった
  • 誰もがこの作業を担当できるようになり、効率が大幅に向上した

お客様のコメント

品質も作業性も改善しました

変形やはがれなく、きれいに打抜けています。
グローブボックスでの打抜き作業も、サンプルのセットが簡単にできるのでとても楽になりました。
計画どおりに目的の試料を作成することができ、大変助かりました。
電池材料開発部門・A様

担当者のコメント

ハンドパンチは、リチウムイオン電二次電池の電極材打抜き用途で国内外問わず多くの研究機関・メーカー様にお使いいただいておりますが、 お客様によって作業環境、材料の特性は様々です。
当社ではお客様の材料に合わせた精度、パンチダイの材質選定のほか、作業環境に最適な仕様をご提案いたします。
野上技研 開発技術チーム 鈴木