リチウムイオン電池 電極材(正極100μm)の打抜き加工性試験結果
リチウムイオン電池は、充電と放電を繰り返す二次電池の一種で、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで、電気が発生する。携帯電話やノートパソコンなどの電子機器や、電気自動車の動力としてもすでに導入されているが、更なる高容量化・性能向上に向けて、現在も世界各国で開発競争が続いている。
リチウムイオン電池の正極と負極は、それぞれが直に接触すると短絡(ショート)を起こす。電極の加工部分にバリ・ダレが発生すると、バリなどが絶縁体を越えて接触する可能性があり、電極の加工性の問題は極めて重要である
今回は総板厚100μm(アルミ基材15μm、活物質片面塗工)の試験片を、精密打抜き治具(クリアランス2μm)により打抜き加工する試験を行った。
|試験仕様
試験対象素材
材 質 :正極基材(LiFePO4)+アルミニウム箔(Al)
板 厚 :100μm(アルミニウム箔 15μm)
材料商品名:MTI製 正極材LiFePO4片面塗工アルミ箔
主要用途 :リチウムイオン二次電池正極材
使用試験設備
【打抜きプレス機】
打抜き用治具:目視抜き用小型打抜き金型(野上技研製『ハンドパンチ』)
打抜き穴径 :φ10.0
クリアランス:2μm
【検査顕微鏡】
顕微鏡 :マイクロスコープ(キーエンス製『 VHX-6000 』)
拡大倍率 :20倍、100倍、(1000倍)
|試験結果
打抜き加工部画像
上面からはバリ、変形は見られない。
打ち抜き加工後の素材断面
アルミニウム箔にもバリ・ダレはなく、活物質部分にも特に乱れはない。