銅(Cu)箔 t=8m_上面拡大(100倍)

銅箔(板厚8μm)の打抜き加工性試験結果

銅(Cu)箔の打抜きテストを実施した。

銅(Cu)は、電気抵抗が少なく電気導電性に優れていることや、耐酸化性があること、熱伝導性性に優れ熱放散能力が高いなど、様々な特性を持ち、多くの用途がある。

電池分野では、炭素系材料を主とした活物質を表面に塗布した形で、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタに、負極集電体として広く使用される。

今回は電極基材としての使用を想定し、板厚8μmの試験片を精密打抜き治具(クリアランス2μm)により打抜き加工する試験を行った。

試験仕様

試験対象素材

材  質 :銅(Cu)
板  厚 :8μm

使用試験設備

打抜き用治具:目視抜き用小型打抜き金型( 野上技研製 電極抜きハンドパンチ
打抜き穴径 φ10.00mm
パンチ-ダイ間クリアランス 2μm

検査顕微鏡:マイクロスコープ(キーエンス製 VHX-6000 )
拡大倍率 ~2500倍

試験結果

加工後上面

上面からの観察では、バリやダレ、目立った変形は認められず、良好な加工結果が得られている。

加工後断面

500倍、2000倍まで拡大・観察した結果、目立った変形は認められず、良好な加工結果が得られている。

試験実施者コメント

加工製品の上面/断面ともに、目立ったバリ等の発生は認められず、良好な結果が得られた。

電池分野の開発競争により、電極基材となる金属箔は年々薄くなる傾向があるが、今後より薄くなることで、加工の難易度が上がることが予想される。

材料の厚みが変わることで、適切な加工条件が変わってくるため、対象材料や求める加工品質に合わせた、最適な条件を選定することが肝要である。
電池材料加工技術研究センター
諸田